皮膚機能関連試験

皮膚は,危険な物質が体内に侵入するのを阻止するバリアになるとともに,太陽光に含まれる紫外線の有害作用から身体を守っています。皮膚は,表皮,真皮,皮下組織の3層からなっています。皮膚を構成する細胞が活性酸素などの傷害を受けると,皮膚のバリア機能が低下し,表皮の乾燥,ハリや弾力性(エラスターゼ活性)の喪失によりシワやたるみが生じるようになります。また,これらのストレス因子は,メラニンの調節異常,炎症,抜け毛などの様々な損傷に関与しています。皮膚の弾力性やシワに関係するエラスターゼやコラゲナーゼなどの活性,シミやソバカスの原因になるメラニン合成やチロシナーゼ活性に対する被験物質の効果を評価することができます。

メラニン合成

メラニンは皮膚に紫外線が当たることで生成される色素で、メラノサイトという細胞で作られます。その役割は紫外線から人体を守ることであり、メラニンはその紫外線を吸収したり、散乱したりする働きにより、強い紫外線から細胞を守ってくれます。しかし、紫外線を浴び続けるとメラノサイトが常に活性化した状態となり、必要以上にメラニンを作り続けてしまいます。その結果、シミができてしまい、肌の重大な悩みの一つとして取り上げられています。このようなシミを作らせないためには、メラニンの生成を抑制することが重要となります。

B16メラノーマ細胞は癌化したマウスのメラノサイトのことです。この細胞と試料を培養し、産生されたメラニン量を測定することによってメラニン生成阻害効果を評価する試験です。

チロシナーゼ活性

肌におけるシミやソバカスの原因となるメラニン色素は、メラノサイト内のチロシナーゼと呼ばれる酵素の働きによって作られます。チロシナーゼは紫外線を受けると活性化します。このチロシナーゼを阻害することでメラニンの定着を防止することができ、美白効果が得られることがわかっています。L-DOPAを基質としてチロシナーゼによるDOPAクロム産生量を測定します。

エラスターゼ活性

エラスチンは、網目状に構成されるコラーゲンを結びつけ、コラーゲンとともに肌のハリを維持しています。そのため、加齢や紫外線、活性酸素、ストレス、エラスチン分解酵素(エラスターゼ)などによってエラスチンが減少すると、シワやたるみなど老化の原因となります。このことから、エラスターゼを阻害する成分には、お肌のハリを回復または維持させ、その結果お肌を若々しく保たせる効果が期待できます。基質にエラスターゼと試料を反応させ、エラスターゼによる基質の分解がどの程度阻害されるかを測定します。

コラゲナーゼ活性

コラゲナーゼとは、タンパク質の一種であるコラーゲンを分解する酵素のことです。コラーゲンは体内総タンパク質の約1/3を占めており、皮膚や骨などに含まれ、その構造維持に大きく関与しています。そのため、コラゲナーゼが加齢や紫外線などによって活性化されると、コラーゲンは分解され、皮膚の構造維持が困難となり、シワやたるみの発生など、可視的な老化現象に繋がります。 このようなことから、コラゲナーゼを阻害する成分を化粧品に添加することにより、シワやたるみなどに対する抗老化作用が期待できます。基質として合成ペプチド基質を用い、コラゲナーゼと試料を反応させ、コラゲナーゼによる基質の分解がどの程度阻害されるかを測定します。

創傷治癒

傷ついた組織は、血管新生因子による血管新生の増加、細胞増殖および細胞外マトリックス沈着の増加、壊死組織破壊のための炎症免疫細胞による浸潤など複雑かつ構造的なイベントを開始することで創傷領域を修復します。

本アッセイは、まずコンフルエントな培養細胞単層に引っ掻き傷を作製して、細胞群を移動または破壊することで模擬的な創傷となるオープンギャップを作製します。次に、このオープンギャップを細胞が移動し損傷した領域を埋める様子を顕微鏡で時間をかけて観察します。

 

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